酔っ払い主人公・仲良しifトリオ編

 その日はいつものように我が物顔で僕の家で寛いでる友人二人に呆れつつ、僕は一つのお酒をテーブルに置いた。

 

「じゃじゃーん! 見て見て、お中元で届いたんだー♪」

 

 自由に好きなことをしていた友人たちが僕の言葉を聞いてこちらを見てきた。そしてテーブルに置かれているお酒に気付いて興味津々に近付いてきた。

 

「おー、流石は先生、いいモノ届くねぇ……」
「何万くらいすんのこれ?」

 

 早く飲みたい、という意志がひしひしと伝わってくる___くんと、ずけずけと聞いてくる水元くん。

 

「まだ飲むとは言ってないし、そういう事を聞かないの!」

 

 もー、タダ酒とタダ飯に味を占めた者どもめ、と僕が考えれば水元くんは少し目を逸らした。

 

「じゃあ自慢したかっただけか?」
「そんなわけないじゃん」

 

 勿論、今日はこれを飲もう! と笑えば「はいはい」とコップを用意してくる___くん。相変わらず早いなぁ……。

 

「(むっふっふ、今日も沢山のネタを提供してもらうよ!)」

 

 あー、二人の話はネタの宝庫だから楽しみだよー!

 

「はぁ……」
「どうしたの水元くん?」

 

 突然ため息を吐いた水元くん、首を傾げて聞いても無視された。まぁいいや、料理とかなんかたーのもっと♪

 

 …………
 ……

 

 飲み始めてから数時間が経った頃、家にあった他の酒も開けたりして僕と___くんは沢山の酒を飲んだ。

 

「相変わらずお前ら飲み過ぎだろ……」
「そんなこと言ってる水元くんも顔赤いよー」

 

 セクシーだね、いいね! イケメンはやっぱ最高だね! と考えれば水元くんはげんなりする。

 

「___くんもそう思……って、なにやってんの?」

 

 そう言えばなんか静かだなぁ、と思っていれば___くんは大きめのお皿に入れられているお菓子に何かをしていた。

 

「…………」

 

 話しかけても返事はなく、顔だけじゃなく首元まで真っ赤の___くんは、なんと柿の種とピーナッツを黙々と分けていた。

 

「…………え、なにそれ、ちょっと___くん!?」

 

 普段なら絶対にそんな、可愛いことしないじゃん! ネタをありがとう! と思いつつ、僕は食べ物で遊ばないの、と言って近寄れば___くんがピーナッツを僕の口に突っ込んだ。

 

「あそんでない」

 

 ほら食え、と柿ピーのピーナッツだけを食べさせられる。同じように___くんは水元くんの方を向きピーナッツを差し出して、水元くんは黙って受け取り食べた。

 

「…………相当酔ってるぞソイツ」
「そ、そのようで……」

 

 珍しいなぁ、嬉しいなぁなんて思っている間にも仕分けられていく柿ピー。時折、柿の種を摘んで食べる___くんの表情は無邪気な子供のような笑顔で、どうやら柿の種の方が好きな様子。

 

「___くん、僕たちにも柿の種ちょうだいよ!」
「だめ」

 

 ピーナッツ食え、とバッサリ言う___くん。むむむ、閃いた! 僕はこの閃きを忘れてしまう前に泥酔ネタ帳に書き記す。

 

「ん、ピーナッツ」
「…………へいへい」

 

 ほら食え、と___くんから差し出されるピーナッツを、ポリポリと食べる水元くんの構図を見て、僕は勢いのままにネタ帳の一ページに書き殴った。

 

(END)―
 真山「水元くん! もっと___くんの側に寄って!」
 水元「オレたちをネタにすんなっつってんだろ!」
 主人公「まやま〜、柿ピーおかわり〜」

 

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