絶B

秀才VS綾人2

それは学園祭当日の話。学園祭前も激務だったが、当日もやることが沢山ある。 「(生徒会長は、顔色ひとつ変えてないな……)」 流石だ、とはいえ前回のこともある。綾人くんからちゃんと気付いてやれ、と言われたのでなるべく確認しているが、今は問題なさそ…

世界の思い通りになんて

それはお昼の話。昼食を終え、次の授業まで一コマ空いているなと俺はブラブラ当てもなく歩いていた。 「(うーん、食堂で時間を潰すか? それとも外に出るか……?)」 どうしようかなー、なんて考えていれば中庭に見知った人物が見えた。あの背中は、滝本だ。…

そう思いたいだけ?

滝本に告白されてから、未だに有効打となる行動ができていないそんなある日。部屋の外でバタバタと足音が聞こえてきたかと思えば、俺の部屋の前でピタリと止まり、少し間を置いて小さくノックされた。 「なにー?」 この感じ、母さんや親父ではないな、と思…

酔っ払い主人公・仲良しifトリオ編

その日はいつものように我が物顔で僕の家で寛いでる友人二人に呆れつつ、僕は一つのお酒をテーブルに置いた。 「じゃじゃーん! 見て見て、お中元で届いたんだー♪」 自由に好きなことをしていた友人たちが僕の言葉を聞いてこちらを見てきた。そしてテーブル…

対抗策を考えよう

「おはよう」「おはよー」 親友に告白されてから一ヶ月ほど経った。大学で顔を合わせる時、どうすればいいかとかあれこれ考え、参考書を読み込んで身構えていたのに、いざ会ってみれば普段通りの態度に俺は拍子抜けしてしまった。 「(そんなこんなで高校の…

酔っ払い主人公・椋木編

その日はいつものようにパソコンの前で作業をしながら、天使サマがご帰宅されるのを待っていた。 「(今日は生徒会の用事で大変だった、カミサマのお力になれたのは嬉しいが……、天使サマ、今日は少し遅いな)」 盗聴器を確認する時間もなかった為に、どうな…

彼は真理を知る

俺は気付いてしまった、俺は漫画の世界の住人であると。それもただの漫画じゃない、所謂ボーイズラブ漫画の住人であると……! 「(そう、思えばおかしな事はいくつもあった、イケメンの比率が異様に高い学内、その割に顔の造りがあやふやな女子たち)」 ここ…

酔っ払い主人公・滝本ペア編

「じゃーん!今日はすごくいい酒買っちゃった~!」とあるテスト明けでマサヤの家に集まった時のこと。いつものメンバーで宅飲みをしようと各自で酒やツマミを持ち寄り小さなテーブルに集まれば、マサヤが楽しそうに笑いながら一つの酒瓶をテーブルにドンと…

片想いに別れを

俺には仲の良い友達がいる。ぼやーっとして、何を考えているのか分からない無表情気味な男友達。猫を飼い始めたんだと手で大きさを教えながら嬉しそうな顔で話す友達を見て、俺は自然と口角が上がった。「(可愛いやつ)」俺はそんな友達の、___のことが…

黒髪の主人公・斗真編

眠いと小さくあくびをしながら大学へとやって来て、教室に向かってトボトボと歩く。 「(今日は、涼太は休みって言ってたな)」 涼太の居ない学校など全くもってやる気が出ない。とはいえ単位の為にもしっかりと授業を受けておかないと、と思いながらよそ見…

黒髪の主人公・水元編

「(お、水元いたいた、おーい)」 昼飯を食べようといつもの場所に向かっていた時のこと。聞き慣れたうるさい声の主が心の声でオレを呼んできやがった。 「普通に声に出せ、よ…………」 まったく、と思いながら振り向いてオレはその変化に戸惑った。 「ごめんご…

黒髪の主人公・滝本編

その日はいつものように大学に来て、いつもの席に座っていた。アキはまだだろうか?と考えていれば隣に人が座った。 「おはよー」 少し眠そうな声で挨拶をするのは___だ。授業の準備で広げていたノートから俺は目を離し、___に視線を向けて驚いた。 「…

黒髪の主人公・綾人編

ある日、兄貴が髪の毛を黒に染めて帰ってきた。 「……は?」 え?なんで?どういう心境でそんな……え?リビングに入ってきた兄貴をオレは困惑しながら凝視した。 「ただいまー、どう?染まってる?」 のんきそう聞いてくる兄貴が髪の毛を触りながら見せてくる…

ねこみゃと真山

「先生、いつもと違うお仕事しませんか?」 そう言ってきたのは僕の編集者だ。いつもと違うお仕事?なにそれ?と聞いてみれば編集者が一枚の紙を取り出した。 「とあるグッズのキャラクターを様々な絵師が描いて売り出すというコラボでして…、どうでしょう先…

ねこみゃと洋司

その日、俺は特に目的もなく街をぶらついていた。 「あれ?」 ふと見知った姿を見つけて、俺はその人物に近付き声をかけた。 「___じゃん、お前も遊びに来てたのか?」「……!よ、洋司…」 ___も俺に気が付き、何やら深刻そうな顔をしてこちらを見てくる…

ねこみゃと滝本

その日、大学へとやって来て教室に入れば、既に___が席に座っていた。今日は早いな、と思いながらその隣の席に座る。 「よー、おはよう」「おはよー」 少し眠そうな___は机に鞄を置いていて、ふとソレが目に留まった。 「それミーコか?」「へ?」 こ…

抜け出せない主人公・真山編

その日は真山の家に遊びに来て、俺はBL本を読みながら寛いでいた。……別に読みたいから読んでるわけではなく、真山から感想が聞きたいと言われて渋々読んでいるだけだ。 「(ま、参考になるからいいんだけど)」 既に真山と成立してるとはいえ、BLイベントには…

ウイスキーボンボンと河相くん

バレンタインデーに可愛らしくオシャレをした河相くんが、気合たっぷりにラッピングしたチョコの箱を俺に差し出している。 「___さんの為に頑張って作りましたぁ」 どうぞ、と言われて俺はそれをぎこちなく受け取る。 「(……変なもんとか入ってたりしない…

ねこみゃと白河

事務所に来て、ロッカーに荷物をしまっているとなんだか賑やかな声が聞こえてきた。 「どうしたんだ?」 盛り上がってるな?と顔を出せば、プロデューサーと同メンバーたちがわいわいとテーブルを囲んでいた。 「あ、白河さん、おはようございます!ライブの…

ねこみゃと綾人

「綾人、最近お昼の時間パンばっかだね?」 そう話しかけてきたのは柳だ。その言葉を聞いて東條と三郷が同時にオレの手元にあるパンに視線を向けた。 「そういやそうやな?大体お弁当やなかったか?」 「……パンが食べたい時だってあるんだよ」 それ何のパン…

ウイスキーボンボンと善照くん

「___さん!___さん!___さんの好きなやつ、売られてるよ!」 ほらほらと手招きをされて、善照くんの後をついて行けば特設コーナーに毎年のお楽しみが売られていた。 「おー、今年も美味しそうだ…」 どれにしようかと手に取って見比べ、たくさん入…

河相VS柳

気合たっぷりにおめかしして、東條先輩たちにくっついて___さんの家へとやって来た。 「なんで後輩連れて来てん?」 「河相くんは___さんと仲良いんだよ?」 遊びに行くけど来る?って聞いたら行くって答えたから、と説明してくれる東條先輩。東條先輩…

河相くんと主人公7

鳥がチチチ、と鳴いている…と思いながら目を覚ました。俺は体を起こそうとして重い物が乗っかっている事に気が付き、それに目を向ける。 「(そ、そうだった…、圧に負けて同じベッドで寝たんだっけ…)」 すぅすぅと寝顔だけじゃなく仕草まで可愛らしく寝ている…

ねこみゃと康二

ある日、ゲーセンで遊んでいるととある物が目に留まった。 「(んー……? なんか見た事あるような……?)」 クレーンゲームの景品として置かれていたソレを、俺は近寄って確かめてみる。 「ね、ねこみゃシリーズ……?」 まじまじと見て、既視感の正体に気が付く…

河相くんと主人公6

ぼくは王子様に憧れている。カッコよくて頼もしくて、誰よりも強くて凛々しくて…そう、まさに東條先輩のような人だと思った。 「(頭が良くて運動神経も抜群で、人望もあって…)」 何もかもがぼくの理想の人で、ぼくだけの王子様になってほしくて。でもぼくは…

河相くんと主人公5

「___、その子、大丈夫そうか?」「え、あぁ、うん」 時間にして数十分程度だったが、体感としては長く感じた時間を終わらせたのは秋人の言葉だった。警官を連れて来たところを見るに、事情を聞きに来たようだ。 「君が襲われてた子だね?辛いかもしれな…

河相くんと主人公4

綾人の兄、___という男と接点を持ってから、ぼくはより一層、東條先輩と関わることが増えた。……綾人とも接する機会が増えたが牽制するには丁度いい。 「(学校でも以前より話しかけてもらえるようになったし、なんて幸せなんだろう…!)」 綾人は以前よりウ…

ウイスキーボンボンと椋木くん

それは冬に買い物に出かけた時のお話。 「お鍋でもする?」「てん、___さんが食べたいなら…」 相変わらず椋木くんは俺のことを天使さま、と呼ぼうとしてしまうようで、よく言い直している。それ俺がいないところで言ってないだろうな…? 「じゃあ買う物は…

ウイスキーボンボンと柳くん

それは柳くんの一言から始まった。 「お、俺!___さんが食べてるチョコレート食べてみたいです!」 そう目を輝かせながら言い放った柳くんを前にして、俺は手元にあるチョコレート、ウイスキーボンボンを恐る恐る見た。 「………これを?」「はい!」 大人で…

河相くんと主人公3

例の男を見かける度に尾行し続けたぼくは、やっとその時を迎えた。そう、男が一人になった瞬間だ。 「お兄さん、ちょっといいですかぁ?」 ぼくの声に男が振り向けば、どこか迷惑そうな表情をしていてぼくはムスッとした。こんな可愛らしい子に声をかけられ…