一次創作

作戦会議

「偵察基地奪還ねぇ…」 ジェミルとアイラはロントスから話を聞き、状況の把握をする。 「バロアたちはバロアたちで基地の奪還に専念したいらしく、僕ら神に人質になった仲間を助けて欲しいとお願いしてきて…」「人質の救出か」 ジェミルはヒトからもらったリ…

新たな問題

ヒトとは物語を紡ぐものである。力を持つもの持たぬもの、多種多様の世界に争いと平和の狭間を行き来する。その歩みが全て物語となる。 「そうか、厄介だな…」 バロアは偵察部隊からの報告を聞き深刻そうにため息を吐く。ゆっくり休めよ、と仲間に労いの言葉…

神の視点

神とは圧倒的な力を持った種だ。気が付けばそうヒトに呼ばれていて、いつの間にか天に住んでいた。強力な術を使え、ヒトびとを見守っている。そういう生き物だ。 「はい、治癒し終わったよ」「ありがとー、お兄ちゃん!」 転んですりむけた膝の怪我を、ロン…

解決…?

トントン、と身体を叩かれ、ロントスは眠りかけた意識を覚醒させる。身体を叩いた人物を見て、ため息をつく。 「……ジェミル」「起こして悪いな」 そう言いつつもジェミルはロントスの手を掴み起き上がらせる。部屋から抜け出して、話がしたいというジェミル…

不穏な気持ち

ジェミルとアイラ、2人と合流した次の日の朝、いつものように鉄音で起き、神4人はバロアたちの朝食を共にする。 「ちっとせめぇかもしんねぇが、今日だけは勘弁してくれ」「いや、押しかけてるのはこっちだし…」 レミエスの隣に椅子が2つ並べられ、そこにア…

苦悩は続く

これは少し前の話、副神アイラは主神レミエスを人界に連れ帰ることなく神界へと帰還する。そして真っ先に富の神ジェミルの元へとやってきた。 「富の神よ、話がある」 ロントスと離れ離れになってふてくされていたジェミルが、アイラの訪問に勢いよく応じる…

初陣

「ということでして、レミエス……は集落にいて欲しいのですが…」「そうか、ならば遠くから見守ろう」 ロントスは昨日のバロアとの話をして、レミエスは面白そうだと微笑む。安全なところにいて欲しいと願うロントスは、どうにか集落にいてもらえないかとお願…

不安な朝

カンカンカン、昨日と同じように鉄音が響き、目を覚ます。むくりと起き上がり背伸びをする。ぼやっとした意識でふと隣に目をやって布団から飛び出し声の出ない悲鳴を上げる。 「ん?朝か」 煌びやかに神々しくあらせられる主神レミエスがロントスの隣で寝て…

奇妙な状況

「そういや神さんの名前聞いてなかったな、あんたら名前なんてーんだ?」 バロアの質問にロントスは血の気がサーっと引いていった。ヒトは主神の名前をご存知なのだろうか?知っていたら大変まずいのではないか?どうにか誤魔化さないとと思ったロントスの苦…

面白さは何よりも優先される

なぜか神に宣戦布告をするヒト、バロアに好かれてしまったロントスを、遠目から見守る主神レミエスと副神。会話の内容に思わず大声で笑いそうになるのを我慢するレミエスに、副神アイラがどうしますか?と問いかける。 「いや、これはなんとも面白い。私たち…

宣戦布告?

「朝だよー!起きろー!」 カンカンカンと甲高い鉄音が鳴り響く中、ロントスは目を覚ます。いつの間にか歓迎パーティーをされ、何故か好意的に迎え入れてもらったロントスは、なぜなのかバロアの家に居候することとなった。 「おうおう、もうそんな時間かぁ…

その男、人情家

神を捕まえることに成功したバロアは非常に上機嫌だった。仲間の元に帰り、盛大に喜んだ。 「おいおいマジで捕まえたのか?」「やっぱボスはすごいです!」 仲間に賛美を受け、バロアは捕まえた神であるロントスを自慢げに見せびらかした。ロントスは興味津…

その神は過保護

ジェミルは立場も弁えずに主神レミエスに怒鳴り込んだ。そんなジェミルの行動にまるで気に止めず本を読むレミエスにジェミルはズカズカと近寄る。副神に注意を受け、しぶしぶ頭を下げる。 「主神レミエス様、此度の指示に関してお話があります」 いやいやで…

その神は落ちる

神が住う神界とヒトの住う人界。強い力を生まれ持った神々が住う神界に於いて、その素質が低いロントスは周りから笑われていた。強い力を持たず、他の神よりも圧倒的に質素な暮らし。ヒソヒソと陰口を言われているのをロントスは知っていた。 「気にすること…