ねこみゃと洋司

その日、俺は特に目的もなく街をぶらついていた。

 

「あれ?」

 

ふと見知った姿を見つけて、俺はその人物に近付き声をかけた。

 

「___じゃん、お前も遊びに来てたのか?」
「……!よ、洋司…」

 

___も俺に気が付き、何やら深刻そうな顔をしてこちらを見てくる。どうしたんだ?と思っていれば___が躊躇い気味に尋ねてきた。

 

「あ、あのさ…、ちょっとだけ俺と付き合ってくれない?」
「付き合う?」

 

なにかあったのか?まぁ、今は暇してるから別にいいけど、と答えれば___に手を掴まれ目の前の店に連れて行かれる。なんだ?と思っていればその店に貼られているポスターを見て納得した。

 

「ペア限定メニューでコラボグッズプレゼント…」

 

猫好きの間で大人気のねこみゃというグッズだ。主にゲーセンで見かけるが、幅広くコラボ展開されているとも聞いたことがある。

 

猫カフェともコラボしてたんだな」
「今日かららしいんだが、俺もついさっき知って…」

 

誰か呼ぼうか悩んでたんだよ、なんて苦笑いをする___。ちょこちょこ猫の話は聞いていたが、本当に好きなんだな…。

 

「まぁいいけど、それにしてもなんでペア限定なんだろうな…?」
「ふ、不思議だよなー」

 

あはは、なんて変な笑い方をする___。それにしても猫カフェか、実は入ったの初めてだから、ちょっと楽しみだなと俺は少しソワソワする。

 

「グッズって二個、同じの貰えるんだろ?」
「え、あぁ…」

 

そうだけど、と答える___に俺は笑う。

 

「初めての猫カフェ記念に貰っとくよ」

 

そう俺が笑えば___はぎこちなく笑った。

 

(END)-
洋司「可愛いな、鞄にでも付けよーっと」
主人公「可愛いだろねこみゃ(俺は部屋にでも飾っとこう…)」

 

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