ねこみゃと康二
ある日、ゲーセンで遊んでいるととある物が目に留まった。
「(んー……? なんか見た事あるような……?)」
クレーンゲームの景品として置かれていたソレを、俺は近寄って確かめてみる。
「ね、ねこみゃシリーズ……?」
まじまじと見て、既視感の正体に気が付く。それは___の飼い猫ミーコにそっくりだった。
「(おぉ……)」
そういや___の部屋にこんな感じの小物があったような記憶がある。集めていたりするんだろうか? これをプレゼントすれば喜びそうだと俺はクレーンゲームに挑戦する事にする。
「えーと……、やり方はこうしてこうっと……」
既に誰かが挑戦していたようで、何回かチャレンジして無事ゲットする。
「へへ、やった」
早速、持って帰ってプレゼントしようと思ったが、後ろを振り向いて小さな子供が震えながら俺を見ていたことに気付く。
「あ……」
「あ……?」
その手には小銭入れを大事そうに持っていて、俺の手元にある物を見て、酷く落ち込んでしまう。
「(あ、そうか……)」
既に誰かが挑戦していた。つまりお金が無くなったので両替しに行っていたんだろう。
「おい!」
「ひっ! は、はい……!」
ビクビクと怯える子供に声をかけ、俺は景品を渡して頭を撫でてやる。
「え? あの……!」
「いいんだよ、欲しかったんだろ?」
そう言って笑えば子供は嬉しそうにお礼を言うので、俺は手を振ってその場を離れれば、一部始終を見ていた館と合流しめちゃくちゃに頭を撫でられた。
「え、偉い……! 偉いな康二! 成長したな!」
「だー! うるせーよ! 子供扱いすんな!」
クレーンゲームの景品は___にプレゼントできなかったが、シリーズと書いてあったので他にもあるんだろうと思い検索して調べてみれば沢山あった。
「(へー、色々あるんだなぁ……、そうだ、そういえば……)」
ふと___との会話を思い出して、俺はそのまま通販でとある物を購入する事にした。
(END)―
康二「___、これプレゼント」
主人公「こ、これは……! ねこみゃのボールペンセット……!? しかもプロタイプの本格的なやつじゃないか……?! シンプルながらに可愛らしいねこみゃが施された実に見てて飽きない逸品で……」
館「(め、めちゃくちゃ語っている……)」
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