抜け出せない主人公・マヤサ編

とある休みの日に宅飲みメンバーのマサヤペアと遊びに出かけた時の話。洋司からねこみゃの記念グッズが貰えるイベントがあるらしいと聞いて、運転手を喜んで引き受けた。

 

「___ってホント、猫が好きだよなぁ」

 

呆れられつつ三人で記念グッズを貰いに行き、あちこちをドライブする。ご飯を食べたり観光したり、日帰りのちょっとしたプチ旅行だ。

 

「んー!遊んだ遊んだ!」

 

休みを満喫したと、わははと笑いながらマサヤが背伸びをする。

 

「___、帰りは俺が運転するよ」

 

疲れたろ?と言って洋司が手を差し出してくる。フラグなど気にする必要がない友人たちなので、少しはしゃぎ過ぎて確かに疲れたな。

 

「ん、じゃあ頼むよ」
「おー、任せろ」

 

洋司に車のカギを渡し、後部座席に座る。マサヤは助手席に座るのかと思ったが、後部座席に座ってきた。

 

「じゃ、帰るか」
「おー!」

 

シートベルトを確認して洋司が車を発進させる。マサヤはまだ元気そうだなと思いつつ、俺は疲れてうとうとしてしまう。

 

「(一眠りしちゃおうかな)」

 

ここに居るのはマサヤと洋司だし、ちょっとくらい問題ないだろ、俺は目を閉じてリラックスする。それからどのくらい経ったのだろうか?車の心地よい揺れの中、目が覚めてあくびをする。

 

「(……ん?)」

 

なんか肩が重い。今どの辺だろうと思いつつ重い肩の方を見てビビった。

 

「(うぉ、マサヤも寝てたのか)」

 

静かだなと思っていたら、ぐーかーと寝ていた。いや別に寝るのは問題ないのだが、思いっきり俺に寄りかかって寝ないでくれないでしょうか?!俺の肩に顔を乗せるの相手が違う、と思いつつその相手は今は運転中だったなと前を見る。

 

「(き、気付いてはいない、か…)」

 

洋司は運転に集中しているようだ。気付かれないうちにこの状況を脱したいが…!

 

「(……いや、めちゃくちゃがっつり体重乗せられてる)」

 

シートベルトもしているし、上手く身動きが取れず押し返そうにもうまくいかない。

 

「(くっ、こうなったら…!)」

 

寝たふりでやり過ごしてしまおう。洋司が嫉妬なりしたとしても知らん!マサヤと痴話喧嘩でもなんでもしてくれ!と思いながら俺は再び目を閉じた。

 

(END)-
洋司「(……ふふ、二人とも間抜けな顔で寝とる、写真撮っとこ)」

 

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