ねこみゃと滝本

その日、大学へとやって来て教室に入れば、既に___が席に座っていた。今日は早いな、と思いながらその隣の席に座る。

 

「よー、おはよう」
「おはよー」

 

少し眠そうな___は机に鞄を置いていて、ふとソレが目に留まった。

 

「それミーコか?」
「へ?」

 

これ、と鞄にぶら下げられている控えめなキーホルダーをつつけば、___が「あぁ」と声をもらした。

 

「ミーコじゃなくて、これはねこみゃ」
「ねこみゃ?」

 

そうそうと___は笑い、キーホルダーを触る。

 

「俺も最初見た時びっくりしたんだよ、ミーコそっくりだろ?いま大人気の猫グッズなんだよ、白猫のねこみゃ」

 

そう言いながらスマホで愛猫の写真とキーホルダーを見せてくる。ふむ、本当にそっくりだ。

 

「……本当にそういうグッズがあるんだよな?」
「なんで疑ってくるんだよ」

 

___の猫好きはよく知っている。それに愛猫ミーコの話もよく聞いていたので、正直、遂にそこまでしたのか、なんて思った。

 

「……いや、なんでもない」

 

そう答えれば___は何か言いたげな顔をしたが、言葉にするのはやめたようだ。

 

「ちなみにそれはどこで買ったんだ?」
「んー?これはゲーセンの景品」

 

どこのゲーセンで取ったんだ?いつものゲーセン、と話していればアキが楽しそうだなと会話に入ってきた。

 

「お、___やっぱり持ってたんだ」

 

俺も持ってるぞーとアキがスマホを取り出すと、スマホカバーに付けてるキーホルダーを見せてきた。それを見た瞬間___が目の色を変えてそのキーホルダーに釘付けになる。レア物がどうのと話す二人に、知らなかったのは俺だけかと少しモヤッとしてしまった。

 

「(ゲーセンか…)」

 

俺は大学の帰りにゲーセンに立ち寄った。

 

(END)-
滝本「俺もねこみゃのキーホルダー手に入れたぞ」
主人公「(ぬこみゃだ)」
秋人「(黒猫のぬこみゃだ…)」

 

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