黒髪の主人公・滝本編

その日はいつものように大学に来て、いつもの席に座っていた。アキはまだだろうか?と考えていれば隣に人が座った。

 

「おはよー」

 

少し眠そうな声で挨拶をするのは___だ。授業の準備で広げていたノートから俺は目を離し、___に視線を向けて驚いた。

 

「よー、おは……よう」

 

そこに居たのは真っ黒な髪をした___だった。昨日までは紫だった髪が見事に真っ黒に染められている。

 

「…………」
「……え、そんなびっくりする?」

 

言葉を失っている俺に___は「おーい?」と言いながら困ったように笑う。どういう心境の変化だ?いや、黒といえば___の弟や母親と同じ色だったはずだ。

 

「(弟を見たことあるが、本当にそっくりだな)」

 

ふむ、こうして見ると瓜二つだ。マジマジと見つめれば___が引き気味に笑う。

 

「た、滝本ー?」

 

うーん、双子ではないんだよな?そこそこ歳は離れていたはずだし……、兄弟とはいえそんなにそっくりになるのか?

 

「た、滝本さん、近い近い……!」

 

口元にホクロを描いて目元のホクロを隠してしまえば……、ふふ、涼太辺りに写真を見せれば騙せそうだ。

 

「口元にホクロを書き足してもいいか?」
「はい?」

 

水性のペンはあっただろうか?と鞄を漁りながらそう聞けば、___はマヌケな声を上げた。

 

(END)-
秋人「うわ?!___、なのか?」
主人公「うわってなんだ?!」
滝本「(いい写真が撮れたな…)」

 

Top

-