ねこみゃの話

それは高校を卒業してすぐのこと。とある雑貨屋を通り過ぎようとしたときに、ソレを見つけた。

 

「(え、ミーコそっくり…?!)」

 

真っ白な我が家の可愛い愛猫ミーコ。それと同じ白猫のストラップを見つけた。いや白猫だけなら別に珍しくもなくよくあるものだが、いやそうじゃない、そうじゃなくて本当にこの白猫のストラップは…、ミーコに瓜二つ。

 

「(毛色、目の色、顔つき、毛の長さ…、まるでミーコだ…!)」

 

俺はすぐにそのストラップを手に取り購入した。そして家にダッシュで帰宅しミーコを探す。

 

「ミーコ?おいでー、ミーちゃん?」
「にゃあ?」

 

呼ばれたミーコはすぐに駆け寄って来てくれた、本当に賢い子だ。よしよしと撫でて、買ってきたストラップと比較してみる。

 

「お、おわぁ…、まんまじゃん…!」

 

やっぱりそっくりだ、ミーコのグッズと言ってしまっても過言ではない。やべぇ、すげぇ、可愛い、と感動しているといつの間に居たのか、背後から弟の綾人が軽く足蹴りをしてきた。

 

「何してんだよ、気持ち悪い…」
「だからっていきなり蹴るな」

 

いてて、と背中を軽くさすって立ち上がり、俺はストラップを綾人に見せて聞いてみる。

 

「見てくれよ、ミーコそっくりだと思わないか?」
「はぁ?………うわ、何作ったのか?」

 

売られてたんだよとレシートを渡せば、マジかよ、と呟いた。

 

「ねこみゃの〇〇シリーズ?あー…、なんか学校の猫好きが新しく発売された可愛い猫グッズとか騒いでたような気がする」

 

確かに俺も名前だけはどっかで聞いたような気がしないでもない。シリーズということはもっと他にもあると言うことだろうか?

 

「……ミーコだな」
「……ミーコだよな」

 

兄弟揃ってミーコを見る。するとミーコはどうしたの?と首を傾げて俺たちを見上げてくる、その姿はまさにこのストラップに描かれている猫と同じポーズ。

 

「最高かよ…」

 

リピート確定、今後も買います、絶対に買います!と意気込んだのはいいものの、人気過ぎてなかなか手に入らない物になるということを、その時の俺はまだ知らない。

 

(END)-
主人公「あれから大人気になって最近じゃ黒猫のぬこみゃシリーズも発売されたってさ」
綾人「すげぇな…」

 

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