ねこみゃと綾人

「綾人、最近お昼の時間パンばっかだね?」


そう話しかけてきたのは柳だ。その言葉を聞いて東條と三郷が同時にオレの手元にあるパンに視線を向けた。


「そういやそうやな?大体お弁当やなかったか?」

「……パンが食べたい時だってあるんだよ」


それ何のパン?帰りに買お、と聞いてくる三郷を無視しつつオレはパンを口の中に詰め込み、空になった包装を綺麗に畳んで鞄にしまった。


「……美味しそうだったね、帰りに買おうかな?」

「な、優等生!オレの真似すんなや!」

「え?じゃ、じゃあ俺も…」


東條の言葉に何故か三郷や柳が乗っかり、その日の帰りにみんなでコンビニに寄ることになった。


「あったあった…って、残り四つしかあらへんやん?!」

「あ、よく見たらなんかキャンペーンしてたんだね?」


オレが昼に食ってたパンを慌てて取る三郷と柳。


「シールを集めて送ってねこみゃのお皿をプレゼント?」


そうキャンペーン内容を口にする三郷。それを聞いた柳がもしかして、とオレの方を向いた。


「このお皿が欲しくてパンを食べてるの?」


その言葉にオレはドキッとしつつ「ちげぇ!」と否定してしまう。


「その、あ、兄貴が集めてんだよ!パンだって兄貴が買うからおこぼれを貰ってるだけで…!」


そう答えれば東條が小さく笑った。


「あと何枚くらい足りないの?」

「え……?じゅ、十五枚…」


もう随分と集めたな?!と驚く三郷だが、唐突によっしゃ!と胸を叩いた。


「せっかくやし協力すんで!」

「そうだね、ずっとパンばかりってのもそろそろ飽きてきたんじゃない?」


他にも対象シールが付いてる物ないかな?と柳がコンビニの商品を見て回り出す。


「良かったね、綾人、喜んでもらえるといいね?」

「う、うるせぇよ…!」


うぐぅ、東條にはバレてやがる…がまぁいい。協力してもらえるなら有り難く受け取ろう。


「(へへ、兄貴にプレゼントしたら驚くだろうな)」


そうして集まったシールをハガキに貼って送り、届いた皿は二枚だった。


(END)-

主人公「あれ、綾人もそれ集めたのか」

綾人「んぐぐ…!このクソ兄貴…!」

 

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