抜け出せない主人公・水元編
それは水元の家に遊びに来た日のことだった。夜遅くまでダラダラと過ごし、休日を満喫する。
「このまま泊まってくか?」
「んー、そうしようかなぁ」
明日の講義は昼からだし、ちびちびとビールを飲んでいれば水元が後ろから俺を抱きしめてきた。いや、やりませんよ?泊まるだけですよ?
「やらねぇよ、明日は俺、早いし…」
そうですか、なら良かった、と考えればぎゅっと強く腕に力が込められて「ぐえ」っと声が出てしまう。
「痛いんですけど」
「お前の反応がムカつく」
く…、だからって力込め過ぎだろ、とは思いつつ、今は二人きりだし、ここは水元の家だし、まぁいいかとされるがままになることにする。そうして酒を飲んだり雑談したりして過ごしていれば、次第に言葉数が減っていく。
「……水元?」
暫くして耳元に寝息が聞こえてきたので水元の名前を呼んでみる。しかし反応はなく寝てしまったようだ、俺を後ろからぎゅっと抱きしめたまま…。
「(おおお、そこで寝るなぁあっ!)」
いやマジでこの体勢で寝ないでくれ、動けないんですけど?ジタバタもがいてみてもがっちりホールドされて抜け出せない。
「(こうなったら頭突きでもして…)」
なんて考えてたが、ふと時計に目が止まる。もう日付けも変わっている時間だ、明日は早いと水元が言っていた気がする。
「……はぁ」
もういいや…、俺はそのまま横になって寝た。
(END)-
真山「水元くん寝癖が…(どうやったらそんな寝癖がつくの?っは!昨日はもしかしてお楽しみでしたか?そうなんでしょ?どうだったの?教えて!詳しく!!)」
水元「頭に響くから黙れ…」
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