抜け出せない主人公・善照編

「(……ん、いつの間にか寝てたのか)」

 

休日に縁側でポカポカ陽気に当てられて、いつの間にか寝落ちしていたと気が付いた。

 

「(……てか、善照くんまで寝てるじゃん)」

 

ぼんやりとした思考で、目の前に善照くんの顔がある事に気が付く。俺と同じような姿勢で俺の方を向いてすやすやと寝ている。

 

「(幽霊も寝るのか?)」

 

いや、今までそんなところを見た事はない、夜の間も善照くんは活動していたはずだ。珍しいなと思いつつ、起き上がろうとして体がビクとも動かない事に気が付いた。

 

「(え?てか声も出せないじゃん?!いや、これはもしかして…?)」

 

か、金縛りというやつでは…?

 

「(な、なんで金縛り?加々美の家は安全のはずなのに…!)」

 

ま、マジで動けない…!どうしようと少しパニクるが、目の前で寝てる善照くんの寝顔を見てなんとなく察した。

 

「(……これ善照くんが寝てるからでは?)」

 

一瞬焦ったが身の危険は感じないのでそんな気がする。えー…、これ善照くんが起きれば解けるの?しかし声も出せないし起こす方法がない。

 

「(……か、加々美〜!)」

 

助けてくれー!と思いながら、こうなったら善照くんの寝顔をじっくりと堪能してやろうと、善照くんが目を覚ますまで眺め続けた。

 

(END)-

善照「ごめんごめん、___さんの可愛い寝顔を見てたらつい…」
主人公「つい、で金縛りにされたの俺?」

 

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