抜け出せない主人公・旗野編

 龍二くんと付き合うようになって、家に頻繁に遊びにくるようになった。勉強を見てあげたり、デートに出かけたりもするが、休みの日にダラダラ過ごしたりするようにもなっていった。

 

「……んぅ」


 そんな龍二くんが遊びに来たある日。眠い目を開けて大きくあくびをする。どうやらいつの間にか眠ってしまっていたようで、俺の部屋の天井だ、なんて考える。

 

「(……龍二くんも寝てる)」


 隣を見れば龍二くんの顔があって少し驚いた。寝ていてもやっぱイケメンだなと思いつつ体を起こして気が付く。

 

「(龍二くん、めっちゃ俺の腕に抱きついてる)」


 なんなら足でもがっちりと……。今何時だ? 起こさないと……。

 

「(くっ、幸せそうな顔して……)」


 なんて起こすのを躊躇われる顔をしているんだ。時間を確認すればまだ午後三時過ぎ。

 

「…………」


 ぎゅっと幸せそうな顔をして、俺の腕にほっぺをくっ付けて寝る龍二くん。もう少しだけ、もう少しだけこの旗野くんを堪能してもいいか……?

 

「(……カッコよくて可愛いな)」


 俺は龍二くんが起きるまでその寝顔を堪能した。

 

(END)―
 旗野「……___さん……?」
 主人公「(ふふ、寝ぼけまなこの龍二くんだ……)」

 

Top
-